この作品は、以下の3つの観点から、音楽と、それに関わる聴取、演奏者の関係について考えた記録である。
1.音の形の表現をする。
タイトルでもあるゲシュタルトは心理学の用語であるが、現在ではデザインの基礎として広く用いられている。いくつかの音が、1つのまとまりとして、どのように認知されるのかを考えた。
以下の要因を拡大解釈し、音の構成に用いている。
◯近接要因
近接している物同士はひとまとまりになりやすい
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◯類似要因/共同運命
いくつかの刺激がある時、同種のもの同士がひとまとまりになりやすい。
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◯閉合要因
互いに閉じ合っているもの同士はひとまとまりになりやすい。
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2.デジタルなアイディアで作ったものを、機械ではなく人間が演奏する。
DAWの打ち込み画面でのグリッドの内部を音が1グリッドづつ移動していく。
また、プログラミングソフトMaxを用いて、使用する音を決定し、また、一部曲のテンポを制御している。
3.未成熟さ(拙さ、可愛さ)を表現をする。
奏者にタイミングの「ずらし」を指示。記譜によらず、感覚にあずけることにより、特有の結果が生まれることを期待する。